2010年 02月 09日
THE DAY |
冬の「お釜」を撮影して来ました。
11時過ぎにスミカワスノーパークに到着し、少しゲレンデで足慣らし。
1時間ほど滑ってレストハウスへ。
無難に注文した「天ぷらそば」のかき揚げが揚げたてサクサクに感動!
シャトルバスの運転手さんと話がはずみ、新潟から来た友人と共に楽しく過ごしました。
13時便が多少遅れ、海外から来ている観光客が外でワイワイしているのを面白がって見ていました。
乗り込んだのは、昭和を匂わせる渋いタイプの小型雪上車。
狭い室内にヘルメットやスノーシュー、スコップやトランシーバーを身に付けた本格派のスノーボーダーがギュウギュウに乗っている。
観光のためでは無く、良質のパウダースノーを求めて来ているのでほとんどの人が室内で寝ている。
ゴウゴウとうなりを上げるディーゼルエンジン音の中、外を見るでもなく。
皆がすっと目を覚ますのは頂上付近の井戸沢あたり。
口々に風の具合や雪質などの話題が出始まる。
いよいよ気持のスイッチが入り、デジカメの確認やブーツのひもを締めなおしたりしている。
ゴォー!という大きな雄叫びを最後に、雪上車は山頂に到着。
私と新潟の友人は、言葉を交わすまでもなく蔵王刈田峰神社へ向かう。
目の前には「お釜」。仙台平野の先には太平洋、金華山まで見渡せる晴天に恵まれました。
「ザ・デイ」この日を待っていました。
前の日まで吹雪と戦い、風に泣かされヘトヘトになっていました。
しかしながら人間とはこうも単純なのかと思うほど、コロッとそんな事は忘れてしまいます。
この景色を目の当たりにして、不平や不満がどうやったら出てくるのでしょう。
蔵王に住んでいるからこそ、こうやって必ずごほうびがもらえる。
感謝の気持ちでいっぱいになります。
かつて私の祖父は、満月の日を狙って冬の蔵王に登ったそうです。
70年も前に、車も雪上車もユニクロのヒートテックも、道路すら無い時代です。
月明かりを頼りに夜の山頂「お釜」を目指す。
風の無い穏やかな蔵王の樹氷原を、独り占めしていたのでしょう。
生活は厳しさを極めるものだったでしょうが、その心の豊かな事。
それが私のおじいちゃんです。
当時のライフスタイルとはどんなものだったのだろう。
もう少し死ぬ前に聞いておくべきでした。山の中で沢山の事を学ぶべきでした。
蔵王の山中にポツンと1人、静かに耳をすませる。
冬の蔵王は私にそんな時間をたっぷりとくれる。
うさぎ年だから雪が降ると飛び回りたくなるのでしょうか。
私は来年も再来年も雪が降ると祖父を思い出すでしょう。
そして峩々に訪れ、生活を守ってきた先祖に思いを馳せ続けるのでしょう。
by gagaonsen
| 2010-02-09 19:11
| アウトドアスポーツ