2011年 04月 23日
ありがとう |
石巻市から帰り道。
国道は大渋滞で、支援車両のみならず一般車もどんどん往来していました。
のろのろ運転のおかげでこのメッセージに出会う事ができました。
もしかするとこの「ありがとう」が石巻で一番うれしかった発見だったかも。
潮が引いた後に誰かが拾った発泡スチロール。
とても丁寧に書かれたこの「ありがとう」が疲れを吹き飛ばしてくれた。
震災で何もかも無くしてしまった。と誰かが言った。
でも、心を伝える手段まで津波にさらわれたわけではない。
「ありがとう」その言葉の意味は、目にする人によって異なるだろう。
それが心というもの。心だけは失いたくない。
この文字を書いた人はとっさにそう思ったのかも知れない。
希望の光をたぐり寄せる気持ちを大切にしていきたい。
ありがとう
石巻駅前に住む中学時代からの友人。
震災後に初めて会いました。
相変わらず多くを語らない。どちらかと言うと愛想がない。
目が合って握手を交わす。
「元気でやってる」と問えば「ありがとう」と短く返ってくる。
10代の頃から変わらない彼の鋭い眼光。
そこから伝わってくる復興への強い意志。
家族全員と従業員が事務所で共同生活をしていると言う。
彼らはまた同じ場所に住み続け、お店を再開させると頑張っている。
車も、家も、スーツも、靴も、テレビも、アルバムも…みんな失ったはずなのに。
その魂に火を付け、今まさに走りだそうとしている事が伝わってくる。
家族との絆と郷土愛が彼をぎりぎりの所で支えている。
写真を撮られるのが苦手な彼。
今日は特別に私の願いに応じてくれた。
照れ笑いを浮かべながらまた「ありがとう」。
なんだかそこ言葉がいつまでも残る。
彼からもらった「ありがとう」を大切にしよう。
そしてその「ありがとう」をみんなに届けて回ろう。
by gagaonsen
| 2011-04-23 16:21
| 東日本大震災