平成21年1月28日(水曜日)の河北新報朝刊。
JTB常務・立教大学特任教授 清水愼一氏による投稿が心に残った。
先般行われた「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(DC)」。
彼は常々「一過性のイベントで終わらせてはいけない」と言っていた。

実際に彼のリーダーシップにより温泉協会や行政区の枠を超えたコミュニティができた。
白石市の鎌先温泉・小原温泉・蔵王町の遠刈温泉・川崎町の峩々温泉。
DCのはるか以前から勉強会などを行ってきた。
以前は近隣にありながらお互いを知らない。または名前しか知らない。という関係だった。
彼の声掛けにより、今も頻繁にコミュニケーションが取れている。
私自身にとってのDCにおける一番の収穫はこの「仲間作り」だったと思う。
彼の文中にあるように「“DC”息長く続けよう」という事には大賛成。

しかしながら結果を振り返らないとそれは不可能だと思う。
経済効果がいまひとつで、宿泊客の増大もさほど無かった。
それは不況や風評被害がもたらしたものだけで片付けはならない。
私はまず住民への理解不足が一番の原因だったと思う。
特に子供や第一次産業従事者である。
子供が楽しく参加しやすい環境を整える事。DCを一生懸命やると小遣いがもらえて、楽しい思い出ができるのであれば誰でも参加する。
小中学校で「DCイェーイ!」とハイテンションにならないとダメなのです。
また、農家や漁業家など一次産業に携わっている方々にやりがいを持ってもらう。
宮城を訪れる観光客に思いを馳せる。
物心両面でバックアップしてこそ「富県宮城」なのではなかろうか。
私はそう考えます。
宮城県民・仙台市民(いわゆる普通の人)が首都圏の親戚や友達を呼びやすい仕掛けが、今後必要になると思います。
ウチで言えば「東京から親戚が来るから峩々に泊まろう」とならなければキャンペーンの意味がない。また、「亘理のほっき飯を食べて、ベルツでディナーして、峩々に泊まろう」というルート提案ができ、かつ現地での観光手配(体験など)がしやすい環境作りが課題になると思う。
子供でも分かる内容と作り手の頑張りに対するインセンティブ。
役人と旅行関係者と一般住民の「温度差」をなくす事が「観光立県」へのステップになると思う。
清水氏のような日本の観光を全体で見れる立場の方に、今後も宮城観光のオブザーバーを勤めて頂きたい。